
【第12回】
レッサーパンダの換毛期とは?夏冬で見た目が変わる理由

▲実は夏と冬で別犬(パンダ)レベルに見た目が変わる?驚きの換毛期に迫ります。
前回の、第11回では、
生まれた時はわずか100gだった赤ちゃんが、
もこもことした大人の姿へ育っていく、
感動的な成長ステップをお話ししました。
そんな大人の階段を登りきった、
レッサーパンダたちですが、
一年を通じてずっと同じ「もこもこ姿」を、
しているわけではありません。
実は、
季節の変わり目に合わせて、
彼らの見た目はまるで別の、
動物かのようにガラリと変化します。
動物園で、
春から夏にかけてレッサーパンダを見たときに、
「あれ?なんだかいつもより毛並みがボサボサしているな……」、
「少し痩せて小さくなった?」と心配になったことはありませんか?
しかしながら、
それは病気でも栄養不足でも無いのですよ!
彼らが一年のなかで2回、
季節に合わせて衣服を着替える、
**「換毛期(かんもうき)」**という、
大切な生理現象を迎えている証拠なのです。
この嘘のような真実は、
彼らが野生の厳しい気候を生き抜くための、
驚くべき身体のメカニズムそのもの。
今回は、
レッサーパンダの換毛期のひみつと、
夏と冬で見た目が激変する理由について、
「なぜだろう?」とその理由を一緒にひも解いていきましょう。
第1章:そもそも換毛期ってなに?レッサーパンダの衣替えの仕組み
換毛期とは、
人間でいう「衣替え」のように、
季節の気温変化に合わせて古い毛が抜け落ち、
新しい毛へと生え変わる時期のことです。
身近なペットである犬や猫、
あるいはウサギなどを飼っている方なら、
春や秋にものすごい量の毛が抜けるお馴染みの光景ですよね。
🔶:密度MAXの「ダブルコート(二重構造)」
第4回や第10回でもお話ししたように、
レッサーパンダは寒冷な高山地帯で暮らすため、
全身が非常に密度の高い、
「ダブルコート」という二重構造の毛皮で覆われています。
🔴:オーバーコート(上毛):
外側に見えている、
赤茶色の硬くて丈夫な毛。
水分や雪を弾く役割。
🔴:アンダーコート(下毛):
皮膚のすぐ表面に生えている、
白くて柔らかい綿毛。
体温を逃がさない保温の役割。
春になり、
少しずつ気温が上がってくると、
このうち保温の役割をしていた「アンダーコート(下毛)」が、
役目を終えて一斉に抜け落ち始めます。
これが、
レッサーパンダの換毛期のはじまりです。
第2章:【春〜夏】ちょっと不気味?ボサボサ&スリムになる「夏毛への変化」
レッサーパンダの換毛期の中で、
最もドラマチック(そして少し衝撃的)なのが、
冬毛から夏毛へと生え変わる春から初夏にかけての時期です。

:▲本人はいたって元気!古い綿毛が抜けて、ちょっとワイルドな毛並みになる換毛期の様子。
🔶:ぬいぐるみから「スリムな野生動物」へ
冬の間は、空気の層をたっぷりと含んで、
「ぬいぐるみ度120%」だった彼らですが、
大量の綿毛が抜けることで、
一気に一回りから二回りほど身体が小さく、
スリムに見えるようになります。
しかしながら、
💖:さすがに一度には?
一気にすべての毛が綺麗に、
抜け替わるわけではありません。
頭の後ろや、お尻のあたり、
そして自慢のしましま尻尾から、
数週間にわたって部分的に少しずつ、
毛が抜けていくため、
生え変わりの途中は全身の、
毛並みが「ボサボサ」になり、
色も少し色褪せたような見た目になってしまいます。
💛:その姿に・・・・・?
初めてその姿を見たお客さんが、
「この子、どこか悪いのかな?」と、
心配してしまうほど、
夏毛への衣替えの時期は、
ワイルドな(ちょっとお疲れ気味な)ギャップを見せてくれるのです。
第3章:【秋〜冬】ふっくら復活!ぬいぐるみ度が最高潮になる「冬毛への変化」
夏の間、
少しスリム(あるいはボサボサ)な、
姿で過ごしていたレッサーパンダですが、
秋(10月〜11月頃)になると、
今度は来たるべき厳しい寒さに備えて、
2回目の換毛期がやってきます。
❖:艶やかな赤茶色が戻ってくる
この時期は、
夏用の薄い毛が抜け落ちると同時に、
防寒性に優れたフワフワの、
アンダーコート(下毛)が、
皮膚の奥から猛スピードで生え揃っていきます。
この嘘のような真実は、
彼らの身体の防衛本能そのもの。
冬毛に切り替わると、
顔の周りの毛も横にふっくらと広がり、
丸顔の愛らしいシルエットが完全復活します。
さらに、
新しく生えたオーバーコート(上毛)は色鮮やかで、
美しい赤茶色のグラデーションが、
白い雪景色にとてもよく映えるようになります。
第10回でご紹介した、
「冬の元気いっぱいな姿」を支えているのは、
この秋の間に準備された完璧な冬毛のおかげなのです。

▲秋から冬にかけて、防寒用の柔らかな綿毛がびっしりと生え揃い、完璧なモコモコ姿に変身!
第4章:飼育員さんの優しさが光る!換毛期のお手入れと工夫
換毛期の間、
大量の毛が抜けるレッサーパンダたちですが、
動物園では彼らが快適に衣替えを終えられるよう、
飼育員さんたちがプロの手を差し伸べています。
理由①:ブラッシングで毛球症(もうきゅうしょう)を防ぐ
レッサーパンダは猫のように、
自分で体を舐めて、
毛並みを整える「グルーミング」を行います。
しかしながら、
換毛期に抜け落ちた大量の、
古い毛をそのままにしておくと、
グルーミングの際に自分の毛を大量に飲み込んでしまいます。
飲み込んだ毛が胃や腸の中で大きな塊になり、
詰まってしまう病気を、
「毛球症(もうきゅうしょう)」と呼びます。
これを防ぐために、
飼育員さんはお食事タイムなどの隙を狙って、
専用のブラシで優しくブラッシングを行い、
浮いた古い毛を取り除いてあげるのです。
理由②:ブラッシングは最高のコミュニケーション
最初はブラシを怖がる個体もいますが、
慣れてくると、
「そこが痒かったんだよ」と、
言わんばかりに気持ちよさそうな、
表情を浮かべる子もいます。
大好物のリンゴ(第6回)をご褒美として与えながら、
優しくブラッシングをすることは、
レッサーパンダにストレスを与えず、
飼育員さんとの信頼関係(ハズバンダリートレーニング)を、
さらに深めるための、本当に大切な時間になっています。

▲お腹に毛が詰まるのを防ぐため、飼育員さんが優しくブラッシングでお手入れをサポート。
「換毛期に抜ける驚くべき毛の量や、
実際に飼育員さんが行うブラッシングの様子については、
などの動物園公式発信でも、
実際の写真付きで紹介されています。」
第5章:とめ:季節ごとの「異なる可愛さ」を楽しもう!
今回の内容をまとめてみましょう。
🔲:換毛期の仕組み:
春と秋の年2回、気温の変化に合わせて、
「ダブルコート(二重構造)」の毛が生え変わる。
🔲:春から夏の変化:
防寒用の綿毛が抜けて一回りスリムに。
生え変わり途中は少しボサボサしたワイルドな姿になる。
🔲:秋から冬の変化:
この嘘のような真実は、
寒さに備えてフワフワの冬毛が猛スピードで生え揃い、
ぬいぐるみのような丸顔が復活する。
🔲:飼育員さんのサポート:
お腹に毛が詰まる「毛球症」を防ぐため、
リンゴをあげながら優しくブラッシングを行う。
レッサーパンダの「もこもこ姿」は、
一年中同じではなく、
夏のスリムな姿、
冬のボリューム満点な姿と、
季節ごとにまったく異なる魅力を放っています。
しかしながら、
どんなにボサボサな時期であっても、
それは彼らが健康に季節を、
乗り越えようとしている逞(たくま)しい野生の証拠。
動物園を訪れた際は、
ぜひ彼らの「今の毛並み」に注目してみてください。
「今は衣替えの真っ最中なんだな」、
「冬に向けてモコモコになってきたね」と、
彼らの身体が奏でる、
季節のハーモニーを感じることで、
レッサーパンダの観察が何倍も深く、
愛おしいものになるはずですよ。!
是非とも体感されてくださいね!
- 【AI生成画像について】
- ※本記事のアイキャッチ画像は,Geminiに搭載されている
- 画像生成機能(Imagen)を使用したAI生成画像
- (Image generated by AI)です。イメージ画像のため、
- 実際の個体や現地の状況とは異なる場合があります。
- 【出典・参考文献】
- 桐生が岡動物園公式サイト
- レッサーパンダの換毛事情【動物園よもやまばなし】



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