
水辺のアイドル!ベルーガとスナメリの秘密
前回の「超能力エコーロケーション編」の記事を読んでくださり、
本当にありがとうございました!
おでこの「メロン」や下あごの骨の不思議なチームワーク、
そして水族館でイルカが私たちを、
スキャンしてくれているかもしれないエモいお話
楽しんでいただけましたでしょうか?
さて、
今回は、水族館でも圧倒的な、
人気を誇る2大アイドル、
ベルーガ(シロイルカ)とスナメリを大特集します!
どちらもクジラ(イルカ)の仲間ですが、
一般的なイルカとは見た目も生態も大きく異なります。
「真っ白でぽっちゃりしたベルーガ」と、
「お顔がいつも笑っているように見える小さなスナメリ」。
この2頭には、
私たちが思わず「可愛い!」と、
悶絶してしまうような、
独自の進化を遂げた、
面白い秘密がたくさん隠されているのです。
それでは、
個性が光る水辺の、
アイドルたちの世界へ一緒に出発する事にしましょう!
1.海のカナリア!真っ白な美声の持ち主「ベルーガ」の正体

▲ 背びれのない滑らかな背中は、流氷にぶつからずに北極の冷たい海を泳ぐための特別な進化です。
❤:① 北極の冷たい海が生んだ「真っ白」で「ぽっちゃり」な体
水族館の大きな水槽で、
まるで白い雲が、
浮かんでいるかのように、
優雅に泳ぐベルーガ。
💗:その最大の特徴は、
なんといっても全身が、
透き通るように真っ白なことですよね。
実は、
ベルーガの赤ちゃんは、
生まれたときは黒っぽいグレー(灰色)をしています。
それが成長しておとなになるにつれて、
だんだん皮膚が脱皮を繰り返し、
驚くほど綺麗な純白へと変化していくのです。
彼らの故郷は、
流氷がぷかぷかと浮かぶ北極圏の冷たい海。
天敵である、
シャチやホッキョクグマから身を隠すために、
氷の色に溶け込める、
「白」へと進化したと言われています。
さらに、
氷点下に迫る過酷な寒さから身を守るため、
皮膚の下にはなんと、
厚さ10〜15センチメートル以上もの、
ぶ厚い脂肪(皮下脂肪)を蓄えています。
あの独特のぽっちゃりとした、
愛らしいフォルムは、
北極の厳しい環境を、
生き抜くための、
完璧な防寒着だったと言う事なのです。
🩷:② なぜ「海のカナリア」と呼ばれるの?驚きの美声
ベルーガには、
古くから船乗りたちの間で呼ばれてきた、
とてもロマンチックな別名があります。
それが「海のカナリア」です。
彼らは非常に鳴き声が豊かで、
海の中からでも船の上まで聞こえるほど、
高くて美しい声を響かせます。
そのバリエーションは、
驚くほど豊富で、
鳥のさえずりのような、
「ピピピピ……」、
鈴の音のような「チリンチリン」、
時には「ブブブ」「モー」といった、
様々な声を使い分けて、
仲間とコミュニケーションを取っています。
水族館のショーでも、
トレーナーさんのサインに合わせて、
「ピィー!」と高い声を出す、
パフォーマンスを披露してくれますよね。
水中マイクを通して聞こえるその歌声は、
まさに海の歌姫そのものです。
🧡:③ イルカなのに背びれがない!?北極ならではの理由
ベルーガの体をよく観察してみると、
普通のイルカにあるはずの、
「あるもの」がありません。
そう、
背中にある尖った、
「背びれ」がまったくないのです。
その代わり、
背中には少し盛り上がった、
硬い ridge(隆起)があるだけです。
これも、
💛:北極の海で生きるための知恵。
もしベルーガに大きな背びれがあったら、
水面を覆い尽くす流氷に、
ぶつかって傷ついてしまったり、
氷の隙間で息を、
吸おうとするときに、
邪魔になってしまいます。
背びれをなくしたことで、
氷が密集する狭い海域でも、
背中をこすることなくスムーズに泳ぎ、
呼吸をすることができるようになったのです。
2.ベルーガの「おでこ」は超柔らかい!?驚異の表現力

▲ 発達した唇の筋肉を器用に使いこなすベルーガ。口から放たれるバブルリングは観客を魅了する大人気のアートです。
💚:① 触るとぷるぷる!メロンの驚くべき柔らかさ
イルカのおでこには、
音を操る脂肪の塊「メロン」が、
詰まっているとお話ししました。
ベルーガのおでこも、
まさにそのメロンが、
ぽっこりと大きく突き出ています。
しかし、
ベルーガのメロンは他のイルカとは一味違います。
なんと、
触るとプリンのようにぷるぷると柔らかく、
形を自由自在に変えることができるのです。
水族館のガラスにベルーガが、
おでこを押し付けたとき、
おでこが「 むぎゅっ」と、
凹んでいるのを見たことがありませんか?
あるいは、
泳ぎながらおでこを大きく膨らませたり、
へこませたりしているのを、
目撃したことがあるかもしれません。
ベルーガは、
このメロンの形を自分の、
意思(筋肉の力)で細かく変えることで、
エコーロケーションの音波の向きや広がりを、
他のイルカ以上に器用にコントロールしていると考えられています。
💙:② 首が「 くるり」と回る!イルカ界異例の柔軟性
一般的なイルカやクジラは、
高速で泳ぐときに頭がブレないよう、
首の骨(頸椎)がガチッと合体して固まっています。
そのため、
首を左右に傾けることはできても、
人間のように「振り向く」ことはできません。
ところが、
ベルーガは違うのです。
ベルーガの首の骨は結合しておらず、
バラバラに動かすことができるため、
首を上下左右に「くるり」と、
自由に動かすことができるのです。
水族館でベルーガを見ていると、
こちらに気づいて首をかしげたり、
上を見上げたり、
隣の仲間を、
振り向いて見たりしますよね。
あの人間味あふれる、
どこかコミカルで、
愛らしい動きができるのは、
この柔らかい首の構造のおかげなのです。
🩵:③ 「バブルリング」を口から上手に吹き出せる秘密
ベルーガの得意技といえば、
口から空気の輪っかを出す、
「バブルリング(エンジェルリング)」が有名ですよね。
彼らは唇の筋肉も非常に発達しており、
人間の口元のように「う」の形にすぼめたり、
ひょっとこのような形に変形させたりすることができます。
これにより、
水をストローのように細く吸い込んだり、
勢いよく吹き出したりすることが可能です。
野生では、
この器用な口元を使って、
海底の砂に擬態している、
カニや魚に「ぷっ」と水を吹き付け、
驚いて飛び出してきたところをパクリと食べています。
水族館で繰り出される、
美しいバブルリングは、
この「砂漠のハンター」としての、
器用な口元の筋肉から生み出されている、
芸術作品と言ってもいいのでは、ないでしょうか!
- 口から出すバブルリング「幸せのバブルリング」で、
- 全国的に有名な水族館の関連情報です。
- ベルーガの器用な口の筋肉や首の柔軟性についての、
- 飼育現場の知見が参考になります。
- 【出典・参考文献】
- 島根県立石見海浜公園にある水族館しまね海洋館アクアス
3.いつでも笑顔のちいさな妖精「スナメリ」の不思議

▲ 見ているだけで幸せになれる「スナメリスマイル」。くちばしがない丸いお顔が、いつでも笑っているような表情を作ります。
ここからは、
ベルーガとはまた違った、
魅力でファンを虜にする「スナメリ」に、
スポットを当てて行く事にしていきましょうか!
💜:① 「スナメリ」ってどんな生き物?日本にも住んでいる!?
スナメリという名前、
少し珍しい響きですよね。
漢字では「砂滑」と書かれることもあり、
その名の通り、
滑らかでツルツルとした灰色の体を持っています。
大きさはおとなになっても1.5〜2メートルほどと、
クジラの仲間(鯨類)の中で、
最も小柄な部類に入ります。
ベルーガが大きくなると、
4〜5メートル近くになるので、
二人が並ぶと、まるで親子ほどの違いがあります。
そして驚くべきことに、
スナメリは遠い北極ではなく、
私たちのすぐ身近な海、
つまり日本の沿岸、
(瀬戸内海や伊勢湾、有明海など)に、
昔から暮らしている野生動物なのです。
浅い海や湾内を好むため、
運が良ければ海岸やフェリーの上から、
野生のスナメリが水面に、
背中をちょこんと覗かせる、
姿を見ることができます。
古くから、
日本の漁師さんたちにも、
愛されてきた、
とても親しみ深い、
存在と成ってい訳です!
🤎:② くちばしがない!「いつも笑っている」ような癒やしの顔
スナメリの最大の、
胸キュンポイントは、
その「お顔」にあります。
バンドウイルカなどの、
一般的なイルカには、
前にツンと突き出た、
くちばし(吻)がありますが、
スナメリにはそれがありません。
頭の先が丸く、そのまま口に繋がっています。
そのため、
正面からスナメリの顔を見ると、
口の両端がキュッと上がって、
まるでいつもニコニコと微笑んでいるように見えるのです。
この愛くるしい表情は、
通称「スナメリスマイル」と呼ばれ、
見ているだけで日々の疲れが、
吹き飛んでしまうほどの、
破壊力を持っています。
水槽のガラス越しに、
あの笑顔でじーっと見つめられたら、
誰だって一瞬で恋に落ちてしまいますよね。
- 【出典・参考文献】
- 第234回「スナメリがつくる天使の輪 バブルリング」
- 市立しものせき水族館【海響館】
🖤:③ ベルーガとの意外な共通点!「ネズミイルカ科」の絆
一見すると、
大きくて白いベルーガと、
小さくてグレーのスナメリは、
全く違う生き物のように思えます。
しかし実は、
分類学的には非常に近いグループに属しています。
スナメリは「ネズミイルカ科」、
ベルーガは「イッカク科」に分類されますが、
どちらも「背びれを持たない」という、
大きな共通点があります。
スナメリの背中にも背びれはなく、
少しザラザラとした皮膚の隆起があるだけです。
また、
どちらも浅い海を好み、
首を比較的自由に動かすことができるなど、
体の構造や使い方の、
特徴がよく似ています。
いわば、
海の中の「いとこ」のような、
関係性と言えるかもしれませんね。
4.水族館で100倍ときめく!ベルーガとスナメリの観察ガイド

▲ 好奇心旺盛なスナメリは、人間の行動をじっと観察しています。ガラス越しに目が合ったら、そっと手を振ってみてくださいね。
日本の水族館で彼らに会うとき、
ただ「可愛いな」と眺めるだけでなく、
さらにときめきが倍増する、
マニアックな注目ポイントを公表したいと思います。
🤍:① ベルーガの「お腹のシワ」と「柔らかボディ」に注目
水族館の水中観覧エリアで、
ベルーガがターンするとき、
彼らの「お腹」に注目してみてください。
体をひねったときに、
お腹の皮膚に、
まるで人間の贅肉(ぜいにく)のような、
たっぷりの「シワ」が寄るのが見られます。
普通のイルカは全身が、
硬い筋肉とゴムのような、
皮膚で覆われているため、
ターンをしてもこれほど深いシワは寄りません。
しかし前述の通り、
ベルーガはぶ厚い、
皮下脂肪をまとっているため、
体がとってもソフト。
この柔らかいお肉のおかげで、
狭い水槽の中でも体を、
「くの字」にぐにゃりと曲げて、
小回りを利かせて泳ぐことができるのです。
ぽっちゃりボディの、
シワを愛でる……これぞベルーガ通の楽しみ方です。
❤:② スナメリの「砂遊び」と「おもてなし精神」
スナメリの展示水槽に行ったら、
ぜひ水槽の「底」を観察してみてください。
スナメリは好奇心が旺盛で、
遊ぶことが大好きです。
時々、
プールの底に沈んでいる、
砂や小石を口でツンツンと突ついたり、
砂をパッと吹き上げて遊ぶ「砂遊び」を、
している姿を見ることができます。
さらに、
スナメリは人間への、
関心が非常に高い生き物です。
ガラスの前に、
しゃがんでじっとしていると、
スナメリの方からスーッと近づいてきて、
あなたの顔を覗き込むように、
ホバリング
(空中停止のように水中にとどまること)
を、してくれることがあります。
目が合った状態で、
右へ左へとゆっくり頭を動かすと、
スナメリも真似して首をかしげてくれることも。
彼らの高いおもてなし精神と、
知能の高さを、ぜひ肌で感じてみてくださいね。
- 瀬戸内海に面し、
- スナメリの飼育・研究・繁殖に国内外で、
- 最も力を入れている水族館の一つです。
- スナメリスマイルの秘密や、
- 日本の海における野生スナメリの、
- 現状が非常に分かりやすくまとめられています。
- 【出典・参考文献】
- 宮島水族館 公式サイト「スナメリの紹介」
🔴:結論(おわりに)
水辺の2大アイドル、
ベルーガとスナメリの可愛い秘密、
いかがでしたでしょうか?
極寒の北極を生き抜くために、
全身を真っ白な防寒脂肪で包み、
美しい歌声で仲間と絆を深めるベルーガ。
そして、
私たちのすぐ近くの日本の海で、
いつでも満面のスマイルを浮かべながら、
知恵を絞って暮らしている小さなスナメリ。

スナメリとベルーガ
それぞれの生きる環境に、
合わせて進化した彼らの、
体や生態を知ると、
あの愛くるしい姿が、
より一層尊く、愛おしく思えてきますよね。
次に水族館へ行くときは、
ぜひ彼らの柔らかいおでこや、
背びれのないツルツルの背中、
そして豊かな表情に注目して、
至福の癒やしタイムを過ごしてみてください。
ここまで読んでくださったみなさんが、
海を泳ぐ彼らの世界を少しでも身近に感じ、
彼らが暮らす豊かな自然環境にも、
ちょっぴり目を向けるきっかけになれば、
これほど嬉しいことはありません。
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