【第9回】
レッサーパンダは暑さに弱い?夏バテ対策と動物園の過ごし方

「▲夏の風物詩『だれパンダ』。この可愛い脱力ポーズには、驚きの理由がありました。」
日本の夏といえば、
ジメジメとした猛暑が続き、
人間にとっても熱中症対策が欠かせない過酷な季節ですよね。
そんな夏の日に動物園のレッサーパンダ展示場を訪れると、
いつもは木の上を元気に動き回っている彼らが、
冷房の効いた室内でダラ〜ンと伸びて寝ていたり、
屋外に出てこなかったりする姿をよく見かけます。
「レッサーパンダって、夏はあんまり動かないのかな?」、
「もしかして夏バテしているの?」と心配になる方もいるかもしれません。
結論からお伝えすると、
レッサーパンダは驚くほど暑さに弱い動物です。
人間にとっての「ちょっと暖かいな」という気温でも、
彼らにとっては命に関わるほどの猛暑になってしまうのです。
しかしながら、
なぜ彼らはこれほどまでに暑さが苦手なのでしょうか。
今回は、
レッサーパンダが暑さに弱い生態の理由をはじめ、
動物園が総力を挙げて取り組む驚きの夏バテ・熱中症対策、
そして夏ならではの可愛い観察ポイントまで詳しく徹底的に解説します。
第1章:25度でも限界?レッサーパンダが「暑さに超弱い」2つの理由
レッサーパンダの可愛い「もこもこ」とした姿。
実はあのチャームポイントこそが、
夏場に彼らを苦しめる最大の原因になっています。
彼らが暑さに弱い理由を紐解いてみましょう。
理由①:故郷は雪が降る「高山地帯」だから
第1回でもご紹介した通り、
野生のレッサーパンダの生息地は、
ヒマラヤ山脈や中国南部の、
標高1,500メートルから、
4,000メートルに位置する、
涼しい竹林地帯です。
ここは夏でも平均気温が10度〜20度前後と非常に涼しく、
冬はマイナス数十度まで冷え込む極寒の世界。
つまり、
彼らの身体は「寒さに耐えること」に特化して進化しており、
日本の夏のような「30度を超える猛暑」や、
「高い湿度」は遺伝子レベルで想定されていないのです。
理由②:脱げない「高級ダウンジャケット」を着ているから
第4回で解説したように、
レッサーパンダの足の裏には、
防寒用の毛がびっしり生えています。
それだけでなく、
全身が非常に密度が高く、
空気の層をたっぷりと含んだ、
「二重構造の毛皮(ダブルコート)」で覆われています。
この毛皮は、
極寒の雪山では命を守る最強の防具になりますが、
夏場は「絶対に脱ぐことができない、
最高級のダウンジャケット」を着たまま、
炎天下に立っているような状態になってしまいます。
そのため、
彼らにとっての快適な適正気温は「10度〜20度前後」であり、
気温が25度を超えると、
人間でいう熱中症のような夏バテ状態になってしまうのです。
第2章:動物園のプロの技!命を守る「ハイテク&愛の夏バテ対策」
日本の過酷な夏を無事に乗り切ってもらうため、
全国の動物園の飼育員さんたちは、
さまざまな工夫を凝らしてレッサーパンダたちの健康を守っています。
工夫①:24時間フル稼働の「エアコン管理」
夏場、多くの動物園ではレッサーパンダを屋外の展示場から、
冷房の効いた「室内展示場」へと移動させます。
展示室の温度は、彼らの故郷に近い20度前後に保たれており、
エアコンが24時間体制でフル稼働しています。
しかしながら、
ただ部屋を冷やすだけでなく、
冷風が直接体に当たって体調を崩さないよう、
風向きや湿度の管理にも細心の注意が払われています。
工夫②:見た目も涼しい「特製・氷のプレゼント」
夏のイベントとしてよくメディアでも取り上げられるのが、
レッサーパンダへの「氷のプレゼント」です。
ただの氷ではなく、
中に彼らの大好物であるリンゴや、
ブドウなどの果物を閉じ込めた、
「フルーツイン氷」が用意されることが多いです。
レッサーパンダたちは、
冷たい氷をペロペロと舐めたり、
前足でガリガリと削ったりしながら、
中のご褒美を食べようと夢中になります。
この嘘のような真実は、
単に見た目が可愛くて涼しげなだけでなく、
冷たい氷に触れることで体温を効率よく下げ、
さらに退屈しがちな室内の暮らしに、
「刺激(エンリッチメント)」を与えるという、
一石二鳥のプロの知恵なのです。

「▲夏の特別イベント!中に大好物の果物が入った氷を貰い、夢中で楽しむレッサーパンダ」
第3章: 夏にしか見られない?ダラけきった「溶けるパンダ」の魅力
「夏は冷房の効いた部屋で寝てばかりなら、
見に行ってもつまらないのかな?」と、
思うかもしれませんが、
それは大きな間違いです!
夏だからこそ拝める、
ファンの間でも大人気の愛らしい姿があります。
究極の脱力!「だれパンダ」現象
涼しい室内展示場に入ると、
レッサーパンダが木組みのステージや丸太の上で、
うつ伏せになり、
四肢(手足)と尻尾を完全にだらんと、
下に垂らして寝ている姿をよく見かけます。
これは通称「だれパンダ」や、
「溶けるレッサーパンダ」などと呼ばれ、
夏の風物詩となっています。
彼らは少しでもお腹の体温を逃がそうとして、
平らで冷たい丸太やアクリル板に、
お腹をペタッと密着させて放熱しているのです。
骨が抜けてしまったかのように、
完全に脱力しきったお腹と、
もこもこの手足のシルエットは、
夏にしか見られない究極の癒やしポーズと言えます。
第4章:夏の動物園でレッサーパンダを120%楽しむための「2つのコツ」
夏の暑い日にレッサーパンダを観察に行くなら、
以下のコツを覚えておくと、
快適にかわいい姿を、
見ることができます。
コツ①:屋外ではなく「室内展示場」へ直行する
夏場(おおむね6月〜9月頃)は、
ほとんどの動物園で屋外展示を中止し、
涼しい屋内エントランスやガラス室のみでの展示に切り替わります。
「せっかく来たのに外にいない!」とがっかりせず、
迷わずエアコンの効いた「室内展示室」へ向かいましょう。
涼しい部屋の中で過ごす彼らは、
夏バテすることなく、
シャキシャキと竹を食べたり、
元気に歩き回ったりしてくれます。
また、
見学する側の人間にとっても涼しい空間なので、
熱中症を気にせずじっくり観察できるメリットもあります。
「夏期における展示時間の変更や、
冷房室への移動スケジュールについては、
公式サイトでも毎年気温に合わせて案内されています。」
コツ②:夕方の「バックヤード前」を狙う
昼間は「だれパンダ」として、
ぐっすり眠っていることが多い彼らですが、
夕方(15時〜16時頃)になると、
急にシャキッと起き上がり、
ソワソワと歩き始めます。
これは、
涼しい夜を過ごすための寝室(バックヤード)に、
戻る時間が近づき、
「そろそろご飯(夕食のリンゴやペレット)の時間だ!」と、
気づくためです。
扉の前をせわしなくトコトコと往復する、
活発で可愛い動きを見たいなら、
夕方の時間帯が非常に狙い目です。
第5章:まとめ:飼育員さんの愛に守られ、夏を乗り切るアイドルたち
今回の内容を振り返ってみましょう。
🔴:暑さに弱い理由:雪深い高山地帯が故郷のため、
25度を超えると夏バテに。
脱げない厚いダブルコートの、
毛皮が熱を閉じ込めてしまう。
🔴:動物園の熱中症対策:エアコン完備の室内展示への切り替えや、
大好物が入った「フルーツ氷」のプレゼントなど。
🔴:この嘘のような真実は:お腹を丸太にペタッと密着させて、
ダラ〜ンと寝る夏の風物詩「だれパンダ」は、
実は必死に体温を逃がすための放熱ポーズ。
🔴:夏の見学のコツ:涼しい「室内展示場」へ直行し、
活発になる「夕方の帰宅前」を狙うと、
可愛い姿に出会いやすい。
レッサーパンダが夏に見せる、
あの脱力しきったお茶目なポーズ。
しかしながら、
そのユニークな姿の裏には、
過酷な日本の気候から彼らの命を、
守るために日々奮闘している、
飼育員さんたちの徹底した、
温度管理と深い愛情のストーリーが存在しています。
今度、
夏の動物園で冷んやりとしたお部屋の中で、
気持ちよさそうに丸まって寝ている、
レッサーパンダを見かけたら、
「涼しいお部屋を用意してもらえて良かったね」と、
彼らを包む優しい環境にも感謝しながら、
その最高にダラけた可愛い姿にたっぷり癒やされてみてくださいね。!
- 【AI生成画像について】
- ※本記事のアイキャッチ画像は,Geminiに搭載されている
- 画像生成機能(Imagen)を使用したAI生成画像
- (Image generated by AI)です。イメージ画像のため、
- 実際の個体や現地の状況とは異なる場合があります。
- 【出典・参考文献】
- 夏場の室内展示切り替えや氷のイベント解説
- 神戸市立王子動物園(最新ニュース・飼育日誌)

































